前回、信頼関係をつくることの大切さと、そのためには、まず傾聴することが必要であることをお話しました。
では、具体的に、どのような場面で傾聴をおこなう必要があるのでしょうか?
今日は、2つの場面をご紹介します。
1)ホウレンソウ(報告・連絡・相談)
相手が、何かを報告・連絡・相談してきた時には、「まず聴き役!」と意識して、聴く側にまわって下さい。
ここでいう聴き役とは、「しっかりと相手の話を最後まで聴く役」のこと。相手が報告したいこと、相談したいことなどを、「うんうん、そうか、うん、なるほど、そうなんだね」と、相槌を打ちながら最後まで聴ける人のことです。
実は・・やってみると、意外と難しいものです。
部下 「今日現場でこんなことがありました」
上司 「おいおい、なんだそれは!もっとちゃんと管理しないとダメじゃないか!」
部下 「はあ・・(報告しても小言ばかり・・・)」
部下 「新人の指導のことで悩んでいて・・」
上司 「ああ、誰でも初めての指導では悩むものだよ。大丈夫。まずは思うようにやってごらん!」
部下 「はあ・・・(私は悩んでいるのに、私のつらさをわかってくれない)」
私たちは良かれと思って、相手の話を最後まで聴く前に、意見やアドバイス等、自分が話をしてしまいます。そうすると、相手は伝えたいこと、わかってほしいことを話す機会がなくなります。
「まずは、聴き役!」 これを合言葉に、自分の意見やアドバイスは脇によけて、「うんうん、それで?そうか・・・○○なんだね」と、話を聴いてあげましょう。
こちらが聴き役になれば、相手は驚くほどいろんなことを話してくれるようになりますよ。
2)声かけ
とはいえ、上の立場の人に何でも相談・報告できるかというと、「相談する時間がない」 「怒られそう」 「忙しそうだから声をかけづらい」・・などの理由で苦手だと感じる人もいます。
そんな時、こちらから声をかけることが、相手との距離を縮め、本音を聴きだすいい機会になります。
「おはよう。今日の調子、どう?」
「さっきはありがとう。助かったよ」
「昨日の件、どうなった?」
「最近、仕事はどう?」
声かけをきっかけとして、相手が話しやすい「場」を、サポートする側が作りましょう。そして、「聴き役」となって、話を引き出していきましょう。
まい先生(中村舞)/ コーチング&傾聴力の女王

マイコーチングオフィス代表。札幌在住。企業研修講師&プロコーチとして活躍(15年で5,000人以上を指導)。コーチングの要素を取り入れた思考力を引き出す研修や、傾聴力で個人の本質(自分軸)を引き出すセッションには定評があり、全国にクライアント多数。まい先生の名で親しまれている。
