部下や後輩が何かに行き詰まった時、指導する立場としてはつい答えを教えたくなります。
しかし、コーチングではすぐに答えを与えません。
まずは一度、自分で考えてもらう時間を取ることが大切です。

そうすることで、
「わからないことがあれば聞けば解決する」「指示通りに動けばいい」だけの人材ではなく、

「自分なりにどうしたらいいか考えてみる」人材を育てられます。

思考力を引き出す質問例

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「どうしたらいいと思う?」
「○○さんはどう思う?」
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例1
後輩A:「患者さんが○○と言っています。どうしたらいいでしょうか?」
先輩B:「Aさんはどうしたらいいと思う?」

例2
後輩A:「後輩のCさんが、私の言うことを聞いてくれません」
先輩B:「Cさんが指示を聞いてくれないんだね。Aさんはどうしたらいいと思う?」

相手の考えを聞き、必要に応じてアドバイスや補足をします。

考える習慣がない人への対応

今まで親や周囲の言う通りに生きてきた人は、考える習慣が身についていないことがあります。
そのため、すぐに答えが出なかったり、自信が持てずに「わかりません」で終わる場合も。

そんな時は、時間が許す限り根気強く、

・「どんな答えでもいいよ」
・「一緒に考えよう」

など、答えやすい環境を作ってサポートしましょう。

代替案をさりげなく示す「サジェスチョンスキル」

部下や後輩のアイデアがあと一歩の場合、アドバイスを押し付けるのではなく、自然に代替案を示す技術です。「答えを押し付けられたのではなく、自分で考え、意思決定した」と思ってもらうことが目的です。

サジェスチョンスキルの質問例

すぐに答えを与えるのではなく、問いかけを通してヒントを与えながら、自分で考えるきっかけを作ります。

・「・・・というのはどうだろう?」
・「~~については考えてみた?」
・「・・・という方法もあるみたいだけど、どう思う?」
・「~~についてはどうするのかな?」

【例】
後輩A:「後輩のCさんが、わからないことを私に確認してくれないんです」
先輩B:「そうなんだ…もう少し具体的に教えてもらっていいかな?」
後輩A:「仕事の指示をしても、ずっと一人で悩んでいて…、結局時間がかかって、そのままできなかった、ということが何度かあって・」
先輩B:「そっか、それは困ったね」
後輩A:「先輩からCさんに何か言って欲しいです」
先輩B:「そうだね。でも、私からCさんに言うと、Aさんが告げ口した形になって、気まずくなるかもしれないけど、どう思う?」
後輩A:「それもそうですね…」
先輩B:「Cさんの立場になって考えみよう。なぜわからないって言えないのかな?」
後輩A:「うーん・・私の仕事を増やさないようにって気を遣っているのかな?」
先輩B:「それもあるかもしれないね。Aさんは、たくさんの仕事を抱えているから」
後輩A:「でも、わからないことがあったらいつでも聞いてねって言ってるのに…」
先輩B:「叱られたくないとか、できる人だと思われたい、というのはよくある人の心理だけど、それについてはどう思う?」
後輩A:「あ、そういえば、前に叱られるのが苦手だと言ってました!」


まい先生(中村舞)/ コーチング&傾聴力の女王

マイコーチングオフィス代表。札幌在住。企業研修講師&プロコーチとして活躍(15年で5,000人以上を指導)。コーチングの要素を取り入れた思考力を引き出す研修や、傾聴力で個人の本質(自分軸)を引き出すセッションには定評があり、全国にクライアント多数。まい先生の名で親しまれている。