順調に進んでいるかにみえる一人旅も、裏ではいろんなことがありまして。予想外の展開に、その都度一喜一憂しながら、なんとか毎日を過ごしています。

昨日は、ことごとくタクシー拒否にあいました。行き先を言うと、何か言葉を発してタクシーが去っていく・・。なぜ??ネットで調べてやっとわかった
!目的地が遠いと、タイではタクシーに乗せてくれないみたい。

さあどうする?どうやって今日の宿までいこう?

炎天下の中、Googleマップを見てひたすら悩む。よし、電車を乗り継いで河まで出て水上バスに乗ったらなんとか宿の近くまで行けそうだ!

近場の駅に行ってみる。・・・英語がほんの少し。ほとんどがタイ語。アナウンスもタイ語。駅員さんも英語が話せない(私も中1英語しか話せないけどw)象形文字のようなタイ語、本当に一つも理解できない・・。

ネットで切符の買い方や乗り方について検索。&他の人の様子を観察して、見よう見まねでなんとか切符をゲット。列車にも乗って、あとはGoogleマップで自分の位置情報を確認しながら、水上バスに乗り換える駅まで無事に進んでいるか確認。

途中乗り換えがあり、最低限の英語表示と、カンと、Googleマップでなんとか無事に水上バス乗り場に近い駅まで来ることができた・・・。ここで、私の気力も力尽きそう。

でもまだ気を抜くわけにはいかない。ここから乗り場まで行くにはどの道なのか?マップをみて、人に道を訪ねて、道間違えて(笑)やっと水上バス乗り場到着!!

色々な行き先の水上バスが走っているから、最後の力を振り絞って自分が乗るバス(船)を確認して、切符を買って、やっと乗車ができた!

椅子に座って、ほんとのほんとに、やっと落ちくつことができた。あとは降りる場所さえ間違えなければ、なんとか夕方までには宿につけそうだ。

「ぐるるるる・・・」気がついたらものすごくお腹がすいてる。こんなにお腹が空いたのはいつぶり?というくらい、空腹感が襲ってくる。空腹すぎて頭がふらふらする。

カバンをあけて、何か食べ物がないか探す・・。見つけたのは、ガムのみ。すぐに食べたけど、もちろんお腹の足しにはならない。35℃の炎天下の中、もう泣きそう(;_;)

でも、なんでだろう。なんか楽しい。どこかワクワクしてる。初めてだらけがなぜか楽しい。失敗も楽しい。電車に乗るのにこんなに時間がかかってる私が、お腹ペコペコでも何も食べ物のない私が滑稽すぎて、疲れて泣きそうなのに、笑っちゃう。

ここでは、毎日「生きてます」。

初めての国で、初めてのお金をにぎって、バスに乗ったり電車に乗ったり、値切ってみたり、道に迷ったり。文化が違うとこんなに大変なのか。何もかもわからない世界で、頼る人もいない。すべてが冒険。一瞬も気が抜けない日々。

でもだからこそ、「これが生きるということなんだ」と強く感じる。「列車に乗れた!」だけでもものすごい幸せで。退屈も、飽きることもない。

きっと子どもの頃は、こういう世界で毎日生きてたんだろうと思う。だから毎日が楽しかったんだなあ・・・。

でも大人になった今は。
何もかもあたりまえで、慣れ親しんだ毎日を繰り返す生活。日本だったら知らない場所でもすぐに交通機関に乗れるし、タクシーのおじさんと交渉もできる。食べ物だってすぐに買える。

日本(日常)には安心・安全がある。便利さと快適さの中にどっぷり浸かって、それはそれで幸せな日々だけど、でもこんなワクワクは何年も、いや何十年も感じたことがなかった。こんなに「私は生きてる!」って、感じたことはなかった。

「生きる」って、よく知る毎日をただ繰り返すだけじゃない。

怖いこと・できないことにも飛び込んで、挑戦し、たくさん失敗して、また考えて、別の方法を試してみて、小さなこと一つひとつに全力を注いで、悔しくなったり楽しくなったりする毎日のことなんじゃないかな。

ここでは、どこかに行くことも何かを買うことも、すべてが「新しいこと」でできている。全てが挑戦。

一人旅の一番の楽しさは、観光でも写真撮影でもない、「生きている」という実感そのものなんだと、この旅で気がついた私です。


まい先生(中村舞)/ コーチング&傾聴力の女王

マイコーチングオフィス代表。札幌在住。企業研修講師&プロコーチとして活躍(15年で5,000人以上を指導)。コーチングの要素を取り入れた思考力を引き出す研修や、傾聴力で個人の本質(自分軸)を引き出すセッションには定評があり、全国にクライアント多数。まい先生の名で親しまれている。