海外は、詐欺やぼったくりも多く、犯罪も多々ある。
だから細心の注意を払う。言語が通じない国は特に「出会う人は皆敵だと思え」くらいの気持ちで実は旅をしている。
でも、親切な人もたくさんいる。
アブダビ空港。バスの乗り場が見つからずにウロウロ。タクシーのおじさんが「タクシー乗りなよ」と声をかけてくる。こういうのは無視。「No!」と笑顔なしで断る。じゃないと押し切られてしまうから。
すごく冷たくしたのに、おじさんはなんとなく後を付いてくる。私がバスカードの買い方で困っていると、よく聞き取れない英語で話かけてくる。
またもや無表情で無視する私。必死なおじさん。一生懸命私に、こっちだよと話かける。
どうやらカードをどこか別のところで買って、この機械でチャージするらしい。カードを買うカウンターを指差し、私もなんとなく状況が理解できた。
おじさんはにっこり笑って、私を近くのカウンターに連れて行ってくれて、カウンターのおじさんに「この子バスに乗るんだ、カード用意してあげて」と説明してくれる。無事カードを手に入れ、チャージもできた。今度はおじさんは、「あそこがバス乗り場だよ」と教えてくれる。(注・中一英語の私の会話や相手のセリフは、すべて「なんとか聞き取れた単語」と「身振り手振り」を見ての妄想ですw)
おじさんは、いい人だった。私に色々教えてくれて「チップちょうだい」とも言わずに、にこやかに「良い旅を!」と私を送り出してくれた。・・・おじさん、最後まで疑ってごめんね。最後にやっと笑顔で「Thank you」と伝えた私の気持ち、届いていたらいいな。
モロッコでは、駅でどこがホームかわからずに同じところを行ったりきたりしている私に、またまたおじさんが、私に話しかけてきた。モロッコ語で何を言っているか全く理解できない。何やらどこかを指差している。トイレか駅の改札口を探していると思ったのだろうか。よくわからないので無視をする。
なんとかホームが5番線だとわかり、そこまで歩く。ホームにそのおじさんもいる。気まずい・・。おじさんはずっと、私を見ている。私も本当にここでいいのかどうかなんとなく不安だ。おじさんと目があったので、勇気を出しておじさんに行き先を告げてみた。おじさんは首をふり、「ここは〇〇行きのホームだよ」と知らない地名を伝えてくれた。慌ててもう一度正しいホームを確認しにいく。私の掲示板の見間違いだった。おじさんがいなければ、間違いに気づかないで知らない土地の列車に乗るところだった!
お礼を言いたかったけど、そのホーム戻った時には列車がきた後だった・・。おじさん、ありがとう。無視したり、ずっと怪訝そうな顔をしてごめんね。
長距離バス。フェリーターミナルで降りなければならないが、停留所がよくわからない。そんな時の強い味方がグーグルマップ!自分がどのあたりにいるか、たえずマップで確認できる。
でも必要なかった。バスの運転手さんは、私がどこまでいくかを確認し、周りの乗客の人に、たぶん「この子はフェリーターミナルで降りるからな」と声をかけてくれた。たぶんというのは、モロッコ語がわからなかったから。でも、周りの数名が気遣ってくれるのがわかる。
フェリーターミナルに近づくと、数名が「もう少しだよ」みたいな仕草をしてくれる。バスがおもむろに、停留所とは言えないただの道路の脇に止まる。「ここなんだ。ここからあそこまで歩いて行ったら、あれがターミナルだから」みたいなことを言われる(きっとこう言っているだろう・・と妄想した会話(笑))皆が私が乗り過ごししないように助けてくれた。バスに乗っている全員に笑顔で「メルシー」と伝えて降りた。モロッコの公用語はフランス語だから。そして、そこでも最後にやっと笑顔になれた。
まだまだたくさんある、助けられたエピソード。
もちろん、いい人ばかりではない。半分騙されそうになったり、実際騙されたりもしたけど(苦笑)でも、いい人も本当にたくさんいる。
いつか、「この人は大丈夫」「この人は危ない」とわかるようになれば、最初から笑顔で接することができるのに。笑顔を売りにしている(笑)私には、その笑顔を作れない状況は心が痛い。でもやっぱり、女性の一人旅で英語もロクにできない私には、笑顔は危険。笑顔が「あなたに好意があります」という意思表示になる国もある(それで前回痛い目もみた(涙))
旅をしてる間は、疑うことをやめることはできない。身を守るためにも。
だからせめて。私が日本で誰か困っている人にあったら・・それが外国の人でも日本の人でも。自分から話しかけて、できることがあったらしたいな・・・いや、「そうしよう!」
と改めて強く決意して、旅から帰ってきました。
言語の壁なんて関係なく、私を助けてくれた人たち。
文化や価値観は違っても、人の思いやりは世界共通の言語だと、旅を通じて学ばせてもらっています。
*写真はモロッコのマラケシュ駅をでたところ。この壁一面のおじさんも優しい顔をしている・・・気がする。でも、なんのための壁画なのか、よくわからない。日本でいうアパマンション??
まい先生(中村舞)/ コーチング&傾聴力の女王
マイコーチングオフィス代表。札幌在住。企業研修講師&プロコーチとして活躍(15年で5,000人以上を指導)。コーチングの要素を取り入れた思考力を引き出す研修や、傾聴力で個人の本質(自分軸)を引き出すセッションには定評があり、全国にクライアント多数。まい先生の名で親しまれている。