「人に受けた傷は、人によって癒される」それに気がついたのは、15年くらい前のことかな?
誰にだって人との関わりの中で受けた傷がある。私は親がアルコール中毒だった。幼少期、機能不全の家族の中で受けた傷は、大人になってもなかなか消えることがなかった。
普段は見えないところに隠れているその傷を手放したくて、いろんなことを試してみた。心理学の本を読み、内観し、いいと言われることをなんでもやってみた。
でも、私の傷が癒えるきっかけを与えてくれるのは、いつも「人」だった。

優しさとはどんなものか愛されるとはどんなものか信頼できるとはどういうことなのか

全て、今までに出会った人が、その人たちの私への行動を通して教えてくれた。優しくされること、愛されること、信頼できることの喜びを体験させてくれた。
生きていたら、どうしても人に傷つくことがある。でも、それ以上にたくさんの人に助けられている。

自分が心を開けば、周りは愛や優しさで満ちている。

そのことに気付きはじめてから、私は、関係性・コミュニケーション・傾聴力に興味を持つようになったんだと思う。

自粛の日々。家族とのコミュニケーションを取れる時期でもあるけれど、一方で、これだけ「自由に他者と会えない」時期はない。
語り合う時にはマスクが必要で。共に居るには身体の距離が必要で。会いたいなと思っても、「自粛だから我慢」。会えたとしても、感染する・させるをお互い気にして。仕事もリモートワークに移行して。「人と共に」の時間が圧倒的に減っている。
人に腹がたつこともある。人を許せないこともある。人に傷つくこともある。それによって人が怖くなることもある。
でも、人と繋がれるってとてもありがいことなんだ。

一人では体験できない喜びを、誰かが運んでくれる。完璧じゃない自分のことを、誰かが許してくれる。誰かが傷を癒してくれて、誰かのおかげで、また人を信じられるようになる。

私たちはお互い支え合って生きている。
人が人として自然に生きることができない今、改めて、人と共に生き、人と関係を持てることの大切さを見直す時間になったらいいな、と思う。
距離もマスクもなく、同僚や友達や仲間と、どうでもいいことで笑い合い、どうでもいいことを語り合うことができる日々はいつくるのかな。
きっとその時は、誰よりも大きな声で笑い(普段から声が大きいのにw)その時間を楽しむだけ楽しむだろうなあ(^^)
この人生で出会ってくれたその人たちと、何の制限もなく自由に人と関われる環境に、改めて心から感謝しながらね。


まい先生(中村舞)/ コーチング&傾聴力の女王

マイコーチングオフィス代表。札幌在住。企業研修講師&プロコーチとして活躍(15年で5,000人以上を指導)。コーチングの要素を取り入れた思考力を引き出す研修や、傾聴力で個人の本質(自分軸)を引き出すセッションには定評があり、全国にクライアント多数。まい先生の名で親しまれている。