日本を出発する直前。羽田空港の国際線ターミナルでふと気づいた。携帯のSIMカードを取り出すピンがない!!

ネットで調べると、クリップで代用できるという。今までの自分のパターンで、まずクリップが売っていないか探す。出国後のターミナルで売っているものは旅行用品ばかり。探してもクリップはない。他に代用できないか手持ちのモノでチャレンジするも、ことごとく撃沈。

悩んで悩んで、勇気をだして、定員さんにクリップがあれば一ついただけないかきいてみる。快く一つ差し出してくれた。

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私の性格【人にお願いできない】。クリップ一ついただけないかきくのに、大きな勇気を必要とする。

ウッソー!と思われる人もいるかもしれないけど(笑)でもホントなんです。いっつもお願いしてるじゃんっ!と思われる方、それ、本当に頑張って、意識してそういう自分をつくっているんです。新しい自分になりたくて。

人に悩みを相談することもほとんどない。申し訳ないと思ってしまう。自分のことで人の時間や労力をつかわせてしまうことが。できうる限り自分で解決しようと、背負ってしまう。

自分が人のお願いをきいているほうが、心が落ち着くしほっとする。子どもの頃から頼る人がいなく、どちらかといえば自分が親の役割をしていた人が身につける、典型的な例の一つ。

海外で一人・・しかも英語も少ししかできない。絶対に困ることがあるし、人を頼るしかない。でも、人に頼りたくないし、そうしなきゃいけない状況に身を置くことがものすごく心の負担になる。

それが、ずっと一人旅をできなかった理由のいくつかあるうちの一つ。

私は「人」がとても好きです。好きだけど、頼れない。
好きだけど、どこかで一本線をひく。頼ることが、助けてということが、どこか怖い。

このパターンを手放すには、思いきって飛び込むしかない、「頼らざるをえない」環境に!!

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チャッポーン、と飛び込んで。勇気を出して、頼りまくりましたとも!

「私を助けて」と何度もいわなければ、一日が無事に終わらなかった(笑)日本じゃできることができない。言いたいことが伝わらない。自分の力なんってちっぽけなもの。助けてもらうしかない、相手の時間や労力を、割いてもらうしかない。

そして。助けてと言えば、必ず誰かが助けてくれました!

本当に助けられました。私の英語を、一生懸命理解しようとしてくれる人たち。笑顔で教えてくれる人たち。

その繋がりの中にある何かが・・無防備になって、相手を頼って、助けてもらうという関わりの中にある何かが、いつも心の琴線にふれました。何度も涙がでそうになりました。

人は一人で生きてるんじゃない。なんて、かっこいいことを言うつもりはないけど。

「人が好き」この私のあり方に、より近づけたことが嬉しかったのです。

人が好きなのに、一線をつくる自分が、たぶん、ずっとつらかったんだなあ・・と改めて気づきました。

海外一人旅は、人に頼る練習の時間でした。 頼ること、受け取ること。10日間でたくさんの練習をさせていただきました。

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今朝、新千歳空港に到着して、はたと気づく。SIMカードのクリップがない!!(またもや紛失w)

今までの私なら、もちろんクリップをコンビニなどに買いにいっていた。自分で何とかしなきゃと。

でも今回は、まっすぐ案内所にいって、「クリップ一ついただけませんか?」とお願いしました。

案内のお姉さん、一生懸命探してくれたけど見つからず。別の案内所を教えてくれて、そこに向かうと・・。

電話で連絡を受けていたらしい。次の案内所のお姉さんが、にっこり笑って、私が何か言う前に「クリップですね(*^^*)」と一つ差し出してくれました。

すごく嬉しかった!お願いできる、頼れる自分がいたことと、だからこそそこに生まれる、人とのあたたかな繋がり、体験が。

私の一線、少しは薄くなったかな。



まい先生(中村舞)/ コーチング&傾聴力の女王

マイコーチングオフィス代表。札幌在住。企業研修講師&プロコーチとして活躍(15年で5,000人以上を指導)。コーチングの要素を取り入れた思考力を引き出す研修や、傾聴力で個人の本質(自分軸)を引き出すセッションには定評があり、全国にクライアント多数。まい先生の名で親しまれている。