10年程前、シャンプーを買うたびに悩んでいた。
「◯◯成分配合(なんか、髪にいいらしい)」
「ツヤ髪になる(そうなったら嬉しいけど・・」
「人気ナンバー1(みんなに人気ならいいものかも)」
テレビやネット・雑誌を見ていると、たくさんのCMが頭の中に入ってくる。素敵な女性が綺麗な髪をなびかせ、そのシャンプーを使うと、自分もそうなれるような気持ちになる。たった15秒で!
心奪われるCMがたくさんあったので、「あ、これテレビで紹介してたやつだ」「あ、これあの女優さんのCM」と思い出すと、どれも良さげに見えて、なかなか選べないのだ。
ある時、一つの考えがふと頭をよぎった。
今、海外のスーパーに行ってシャンプーを買うとする。そこには当たり前だけど、CMや雑誌で見たことのないシャンプーが並んでいる。その中で、私は何を基準にシャンプーを選ぶのだろう?
その時初めて私は、シャンプー1つすら「自分の考え」で選んでいないことに気がついた。誰か(CM)が良いというから、そんなイメージが自分に生まれたから買っていたのだ。
そこに「私の考え」はなかった。それが恐ろしくなって、私は数年前にテレビを見るのをやめた。ニュースや情報、見たいドラマはネットでも見ることができるから。
その後、自分なりに基準を作ってシャンプーを買って試してみる日々。石鹸シャンプーにしてみたこともある。ものすごく高価なものも、チープなものも色々試した。結果、今は一つに落ち着いた。なんとなくこの香りが好きだから、というのが私の基準だった(笑)
毎日の仕事や日常の中で「自分で考え決めているもの」「自分の体験を通して決めていること」はどれくらいあるのだろうか?
親がこう言ってたから
友達がこうしていたから
先生がこうしなさいと言ったから
学校で習ったから
うちの会社ではこうしているから
先輩にこう教わったから
うちの地域ではこうだから
テレビやラジオで言ってたから
新聞にこう書いてたから
これが日本の常識だから
皆がそうしているから
皆がそう言っているから
ではなく
【自分はこういう理由でこうだから】
と言えるものはどれくらいあるかを見直してみると、ほとんどないことに気づくかもしれない。
モノを買う時だけではない。「自分の考え方」「物事の捉え方」「自分の行動」全てにおいて【自分が考えた上で・自分の感覚でそれを選んだのか】【それとも刷り込まれたものなのか】を考えると、とても興味深い。
興味深いを超えて恐ろしいのは、幸せの概念すら刷り込まれていること。
白馬の王子様と出会って結婚したらハッピーエンド。
サザエさんのような家庭が幸せな家庭。
お金がたくさん手にはいれば幸せも手に入る。
いい大学・いい会社に入ると幸せになれる。
「勝ち組」がもてる
「痩せる」ともてる
誰が最初に決めて、誰が刷り込んだのだろう。
こんなことを考えたり実験したり試したり「自分」を改めて見つけたりしつつ・・。最近またまた、あることに気がついた。
「自分」を持っている人は浮いていてアクが強い・・違った「個性」が強い。いわゆる【変人】だ。自分だけの価値観や考えを生きているから。
こういう人たちは、このコロナ禍の中でも独自の見解のもと、独自の毎日を生きている。ニュースや世間の声に踊らされていない。守るべきものは守りつつ、上手に「自分」を生きている。すごい!
私ももっと【変人】になるべく、精進しないと(笑
まい先生(中村舞)/ コーチング&傾聴力の女王
マイコーチングオフィス代表。札幌在住。企業研修講師&プロコーチとして活躍(15年で5,000人以上を指導)。コーチングの要素を取り入れた思考力を引き出す研修や、傾聴力で個人の本質(自分軸)を引き出すセッションには定評があり、全国にクライアント多数。まい先生の名で親しまれている。